一見すると
Va bene(「いいよ」)を早口で言ったもの。
なら意味は当然、「いいよ」のはず。
そうなら簡単だった。
本当のところ
語彙力というものがいかに過大評価されているかを証明するイタリア語のひとつ。
vabbèを理解するには、意味を知るだけでは足りない。
どう言ったかを知らなければならない。
なぜなら、
— Vabbè.
— Vabbè!
— Eh, vabbè...
— Vabbè?
— Vabbè, dai.
— SE VABBÈ.
これは全部、別の会話だからだ。
ある場面
8時にレストランを予約した。
8時40分になっても、まだ待っている。
店員に聞く。
— すみません、8時に予約したんですが。
— 申し訳ありません、予約に問題がありまして。
Vabbè.
これは「いいですよ」ではない。
まったくよくない。
意味はこうだ。議論しても何も変わらないことは分かった。社会の平和のために、この会話はここで終わりにする。
たった二音節にしては、かなりの情報量だ。
問題は言い方
Vabbè! は「よし、やろう」。
Eh, vabbè... は「まあ、しょうがない」。
Vabbè, dai. は「許すけど、許さなくてもおかしくなかったことは覚えておいて」。
Vabbè? は「もう終わった?」。
そして最終形がある。
Se vabbè.
ここまで来ると、元のva beneはとっくに死んでいる。
意味は「今の話はあまりにもあり得ないので、まともに反論する必要すら感じない」。
注意
vabbèをいつもokayと訳してはいけない。
罠だ。
同意することもある。許すこともある。諦めることもある。会話を打ち切ることもある。そして、今聞いた話を一言も信じていないことを示す場合もある。
そして時々、本当に「いいよ」という意味になる。
難易度を保つために。
読み解く鍵
Vabbèとは、イタリア人が「この状況に一文まるごと使うのは労力の無駄だ」と判断したときに起きることだ。
残りは声の調子、表情、上級者なら手が説明してくれる。
どのvabbèだったのか分からなかったなら……
vabbè.
