一見すると
返事です。「Grazie.」「Non c’è di che.」これで礼儀上の貸し借りは終了。理論上は。イタリア語には「ありがとうを受け取りました」を表す言い方が驚くほどたくさんあります。
実際は
礼儀のテイスティングメニューです。prego、di niente、figurati、ci mancherebbe、そして non c’è di che。figurati は万能すぎるので、すでに一項目を丸ごと使いました。Non-c’è-di-che。五つの小さな拍。もうメロディーのようです。
場面
観光客が道を尋ねると、イタリア人は店の外まで出て交差点を示し、Google Maps に文句を言い、別の店を勧め、義兄が昔住んでいた場所まで話します。「Thank you very much!」「Ma figurati! Non c’è di che! Ci mancherebbe!」一つの感謝に三つの返事。
イタリア語は歌う
イタリア語には、ほとんど何も言っていなくても音がいいという才能があります。Non c’è di che. Ci mancherebbe. Ma figurati. Di niente. Prego. 続けて言うと、返事というよりオペラ前の音合わせです。
読み解く鍵
英語の “you’re welcome” と一対一で対応させないこと。表現ごとに、人と人との距離を少しずつ調整します。しかも歌うように。
